美味しい野菜を作るうえで、土作りは最も重要な過程の一つです。この記事では、良い土の条件と、土起こし・酸度調整・土壌改良という3つのポイントを、栽培実績をもとにわかりやすく紹介します。
土の酸度は、市販の酸度計をいろいろと試したうえで、電池のいらない酸度計をおすすめしています(「土壌酸度を整えること」で紹介)。
結論:畑の土作り3つの手順と、植える前の注意
- 土起こし:植えつけの3週間前までに、深さ30cm程度まで掘り起こします。冬に行うのが「寒起こし」です。
- 酸度調整:酸度計で pH を測り、低ければ石灰をまきます。多くの野菜は pH6〜6.5 が目安です(5.5〜7 の範囲で育ちます)。石灰は植えつけの2週間〜1か月前までにまきます。
- 土壌改良:完熟した堆肥と元肥(植える前に入れる肥料)を混ぜて耕します。堆肥は植えつけの2週間〜1か月前(1㎡あたり約2kgが目安の一例)、元肥は10〜15日前が目安です。
- 植える前の注意:石灰・堆肥・元肥を入れたら、すぐには植えません。土になじむまで待ちます。
入れる時期と量は、資料によって幅があります。目安は「土壌改良をすること」の章の表にまとめました。
良い土の条件5つ

- 水はけ、通気性のあるフカフカした土
- 害虫や病原菌が少ない土
- 酸度が適正な土
- 保水性がある土
- 肥料分が豊富な土

土作りの目的は、良い土の条件を目指すことです。
良い土の条件を達成するにはどのようにしたら良いかをお伝えします。
良い土を作る3つのポイント

- 土起こし<寒起こし>をすること
- 土壌酸度を整えること
- 土壌改良をすること
これらを意識するために「必要な知識や具体的に何をしたら良いのか?」をまとめてみました。
| ポイント | いつ | やること | 効果 |
|---|---|---|---|
| 土起こし(寒起こし) | 植える3週間前まで(冬季) | 深さ30cm程度掘り起こし、寒さにさらす | 水はけ・通気性、害虫や病原菌が減る |
| 土壌酸度を整える | 植える2週間〜1か月前 | 酸度を測り、pH6未満なら石灰をまく | 野菜の育ちやすい環境になる |
| 土壌改良 | 土起こしの後 | 堆肥や肥料を混ぜて耕す | 水はけ・通気性、保水性、肥料分 |
土起こし<寒起こし>をすること

- 水はけ、通気性のあるフカフカした土
- 害虫や病原菌が少ない土
野菜を育て始める3週間前までに、土を深く掘り起こして、空気を入れてフカフカにしましょう。
春の作付けを目指し、冬季の間に準備をしておきます。
- 深さ30cm程度、土を深く掘り起こす
- 土中の害虫(ミミズを除く)や作物の根っこ、不要なゴミを見つけたら排除する
- 作付け(作物を育てる)の3週間前に表面の土と地中の土を入れ替える
- 土中の害虫や病原菌を減らす目的として寒さにさらす(冬季の場合)
耕すときの注意
- 耕しすぎない:土が細かくなりすぎると、すき間が減って、かえって土がかたくなります。
- 雨の後は土が締まる:雨が降ると、耕した土も時間がたつと締まってきます。
- 水はけを見る:雨の翌日に水たまりが残る場所は、水はけが悪い場所です。初めての畑では、まず雨の後の様子を見ておきます。
土壌酸度を整えること

- 野菜の育ちやすい環境になる
これから野菜を育てようとしている土の酸度pH(ペーハー)を事前に調べておく必要があります。
理科の実験で「リトマス試験紙」を使ってpHを調べたことも記憶にあるのではないでしょうか。
野菜づくりに適した土は『弱酸性〜中性(pH5.5〜7)』の土です。多くの野菜は pH6〜6.5 が目安になります。

野菜作りに影響する pH の目安として、それぞれの特徴を簡単にまとめてみました。pH7がちょうど中性です。7より小さいと酸性、7を超えるとアルカリ性になります。
- 酸性
-
数値目安:pH6未満
- 野菜作りでカビが活動しやすくなる
- 野菜に病気が出やすくなる
- 弱酸性〜中性
-
数値目安:pH6〜7
- ほとんどの野菜がよく育つ
- 土壌生物の多様性が増す
- アルカリ性
-
数値目安:pH7を超える
- 野菜が養分(マンガン・鉄など)を吸収しづらくなる
- 土壌微生物の活動も鈍る

日本では弱酸性の雨が多く降るので、何もしていない土であれば、自然と「酸性」へなっていくと考えて良いかと思います。
- 現状の土の酸度を調査する(計測器等を使用)
- 酸度調査をした結果、pHが6未満だった場合、石灰をまいて酸度の調整をしていく
- 多くの作物を計画しているなら、目標「pH6〜6.5」の土作り
市販の酸度計をいろいろと試しましたが、電池いらずのこちらがオススメ!
土のpHを上げるには「石灰」をまきます。
反対にpHを下げるには「ピートモス」を混ぜます。どちらも一度にたくさん入れず、測りながら少しずつ調整します。
酸度調整用として保有していると便利ですよ!
| やりたいこと | まくもの | 量の目安 |
|---|---|---|
| pH を上げる | 石灰(苦土石灰など) | 袋に書かれた量を目安に、少しずつ |
| pH を下げる | ピートモス | 袋に書かれた量を目安に、少しずつ |
石灰をまくときの注意
- 早めにまく:石灰は水に溶けにくく、効くまで時間がかかります。植えつけの2週間〜1か月前までにまきます。
- まいてすぐ植えない:根を傷めることがあります。
- 入れすぎない:多すぎると、土がアルカリ性に傾きます。アルカリ性になると、マンガンや鉄などが吸収されにくくなります。
- 野菜によって合う pH は少しずつ違います。じゃがいものように、アルカリ性に傾くと病気が出やすく、石灰を控えるとされる野菜もあります。
土壌改良をすること

- 水はけ、通気性のあるフカフカした土
- 保水性がある土
- 肥料分が豊富な土
前に何を植えていたかわからない土壌については、土をリセットしてあげることが大切です。
- 堆肥や肥料(有機・化学)などを混ぜて畑を耕す(具体例は次の4つ)
- 馬糞・牛糞:ゆっくりと時間をかけてフカフカした土壌へ改良
- 腐葉土・バーク:保水性、水はけ、通気性のあるフカフカした土へ
- 苦土石灰:酸度調整用。土壌が酸性の場合、アルカリ性側へ配分調整が必要
- 化成肥料:野菜に必要な肥料の三要素である「窒素・リン酸・カリ」を補う
ここでは、初心者の方向けにオススメの堆肥と肥料を4種類選定してみました。


石灰・堆肥・元肥を入れる時期と量の目安
資料によって幅があるので、畑の様子や肥料の袋の表示に合わせて加減してください。
| 作業 | 時期の目安 | 量の目安(1㎡あたり) |
|---|---|---|
| 土起こし(耕す) | 植えつけの3週間前まで | 深さ30cm程度 |
| 石灰をまく | 植えつけの2週間〜1か月前 | 1㎡にひと握りでpHが約0.5上がる(私の畑で測った目安)。pH を測って少しずつ |
| 堆肥を混ぜる | 植えつけの2週間〜1か月前 | 約2kg(寒冷地は約1.5kg、温暖な地域は約2.5kg) |
| 元肥を混ぜる | 植えつけの10〜15日前 | 肥料の袋の表示と、育てる野菜に合わせる |
堆肥の量は、砂の多い畑では2割ほど増やし、粘土質の畑では2割ほど減らすのが目安とされています。堆肥を混ぜたあと、4週間ほどおいてから植えるとする資料もあります。
堆肥は完熟したものを選ぼう
発酵が終わっていない堆肥(未熟な堆肥)を入れると、分解のときに出るガスなどで根を傷めることがあります。袋に「完熟」とあるものを選ぶと安心です。
よくある質問

これまで得てきた情報や経験から、厳選してまとめてみました。
まとめ
- 良い土の条件:水はけ・通気性、害虫や病原菌が少ない、酸度が適正、保水性、適度な肥料分の5つ。
- 土起こし:植えつけの3週間前までに、深さ30cm程度掘り起こす。冬に行うのが寒起こし。耕しすぎない。
- 酸度調整:酸度計で測る。多くの野菜は pH6〜6.5 が目安(5.5〜7 の範囲で育つ)。pH7を超えるとアルカリ性。
- 石灰:植えつけの2週間〜1か月前までに、1㎡にひと握りでpH約0.5(私の畑で測った目安)。測りながら少しずつ。まいてすぐ植えない。
- 土壌改良:完熟した堆肥(1㎡あたり約2kgが目安の一例)と元肥を混ぜて耕す。
- 順番:①土起こし ②酸度調整 ③土壌改良。入れたら土になじませてから植える。
これらの土作りを基本として考え、いろいろな土作りを試してみるのも良いかと思います。
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楽しい野菜づくりを始める第一歩として、この記事をご参考いただけたら嬉しいです。








