野菜作りの肥料ってたくさんありすぎてわからなくなりませんか?
私が家庭菜園を初めたころは、どの肥料がどのように役立つのかさっぱりわかりませんでした。
そこで過去の自分に向けて、感覚的に理解できるように肥料について整理してみました。
この記事では・・・
- 肥料とは?
- 有機質肥料とは?
- 無機質肥料とは?
- 肥料の種類は?
- 肥料の用途や効果は?
- おすすめの肥料は?
これらに焦点をあてて、栽培実績をもとに初心者の方向けにわかりやすくお伝えします。
肥料について知っておくべきこと!
まずは、どんな肥料があるのかをわかりやすく、お伝えするために図面にしてみました!
- 単肥
- 窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)のうち1種類だけを含む肥料のこと
- 化成肥料
- 窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)のうち2種類以上を化学的に合成したもの
- 配合肥料
- 有機質肥料を原料として数種類(2種類以上のNPKを含む)の肥料を混ぜ合わせたもの
有機質肥料とは!
これらは、土と混ぜることで、土に含まれている微生物によって分解され、肥料の3要素である「窒素(N)、リン(P)、カリ(K)」などへ時間をかけて変わり、野菜の根から吸収されます。
無機質肥料とは!
化学肥料というと人体に影響が・・・と思われるかもしれませんが、有機肥料と変わらず同じ肥料と考えて大丈夫です。
元肥とは!
- 生育中期までの基本的な栄養源
- 形状は固形で効き目がゆっくりで効果が持続するものを使用
- 有機質肥料などがベースになることが多い
- 野菜の苗植えや種まきの前に事前にしておくもの
追肥とは!
- 成長するにつれて不足してくる肥料を必要に応じて補う
- 形状は固形もしくは液体
- 液体肥料は、即効性を期待する時に使用
- 無機質肥料など要素の即効性があるものが多い
27種類の肥料についての用途や効果は!
それぞれの特徴を箇条書きにしてみました。
有機質肥料
有機質肥料において、土づくりと肥料効果の目安をグラフで可視化しました。
植物質原料
米ぬか
- 土壌微生物の増殖に必要な成分が含まれて発酵が進む
- 脂肪分が多いため分解に時間を要し少しずつ効く
- コイン精米所などで無料で入手可能
お近くに無人精米所があれば無料で入手できるかも!
油粕
- 窒素分が多くリン酸とカリはわずか
- 効果の持続力は長くはない
- 植物性で繊維質がかたく、微生物による分解に時間がかかり、ゆっくりとした効果
ボカシ肥料づくりでも活躍!
草木灰
- 草や木を燃やした灰
- 石灰分(カルシウム)が豊富で土壌の酸度調整に利用
- リン酸、カリウム、種々のミネラルを含む肥料
果実や根もの野菜から酸度調整まで!
もみ殻堆肥
- もみ殻が土に隙間をつくる
- 粘土質の畑の水はけを劇的に改善
- 砂質の畑で使うと保水性が向上する
- もみ殻が手ですり潰せるくらい完熟したものを選ぶ
JAライスセンター、 JA直営所、農家さんやホームセンターで無料で入手できるかも!
バーク堆肥
- 樹皮が原料の土づくり効果大の植物性堆肥
- 広葉樹の樹皮を長期間熟成させたものを選ぶ
- 剪定チップが使われた安価なものがあるので注意
1年に1度、土壌改良に!
腐葉土
- 広葉樹の葉を発酵熟成した堆肥
- 炭素分が多く土づくり効果が高い
- ミネラルが豊富
- 土壌微生物が増殖
- 病気が出がちな畑にオススメ
1年に1度、土壌のリセットに!
草質堆肥
- 刈った雑草や残野菜を生のうちに畑の隅に山積みしたもの
- 土づくり効果が高い
- 厚手のビニール袋にぎっしり詰めて口を閉じて畑に半年から一年おいておく
もみ殻くん炭
- もみ殻を低温蒸し焼きにしたもの
- 強いアルカリ性のため酸度調整で酸性土壌にて使用
- 通気性と水はけ改善
- 生物活性化を高め、病害虫への耐性を高める効果
害虫を寄せ付けないフカフカな土づくり!
ピートモス
- ミズゴケなどの植物が堆積して作られた泥炭を乾燥したもの
- アルカリ性から酸性へ調整する酸度の調整用
- 保水性が高いため、土の乾燥を防ぐ
- 土を柔らかくする土づくり効果が高い
酸性土壌を得意とする野菜へオススメ!
動物質原料
牛糞堆肥
- 動物性堆肥の中では、窒素分が少なめ
- 土づくりの効果が高い
- 安価でアンモニア臭のしない完熟堆肥を利用する
土づくり効果を高めながらゆっくりと効く!
馬糞堆肥
- 牛糞堆肥より窒素分が少ない
- 動物性堆肥の中で特に土づくり効果が高い
- 牛糞堆肥より高価
牛糞と同じで土づくり効果が高く、臭いが少ない!
鶏糞堆肥
- カルシウムやリン酸を多く含んでいる
- 乾燥鶏糞より発酵鶏糞の方が臭いがマイルドで使用しやすい
- 有機質肥料の中では効果までの即効性があるため、追肥としても良い
動物糞の中で肥料効果高いのが特徴です!
かき殻石灰
- かきの殻を乾燥させた後に粉砕した資材
- カルシウムを多く含む
- 石灰質のため酸性の土壌からアルカリ性側へ改善する
- 多くの豊富なミネラル分を多く含むのが特徴
お店では、「有機石灰」と記載されているものもあります!
骨粉
- 動物(鶏や魚など)の骨を、乾燥し細かく砕いたもの
- リン酸を多く含み、窒素とカルシウムも含む
- ゆっくりと効果が現れ持続力が長い
果実野菜の甘さをアップ!
魚粕
- 煮た魚を乾燥させたもの
- 窒素やリン酸が豊富で、即効性がある
- 微量要素を多く含み、野菜の味を良くするとも言われている
野菜の旨味成分をじっくり引き出す!
干し昆布
- 海藻を乾燥させ粉末にしたもの
- 米ぬかと混ぜて発酵させたものもある
- 海藻に含まれるミネラル分、微量の要素が土壌微生物の活動を活性化してくれる
土壌にミネラル成分を注入!
無機質肥料
無機質肥料は、要素の割合が有機質肥料より多い。
有機質肥料と無機質肥料は、3要素グラフの目盛り値が違います!
単肥
硫安
- 水に溶けやすく土壌に馴染むのが早い
- 窒素成分が多い
- 即効性があり持続力は1ヶ月程度
硫酸アンモニウムとも呼ばれてるよ!
尿素
- 水に溶けやすく即効性がある
- 窒素養分が多すぎるため過多に注意
- 水に溶かして薄めて液肥として使用可能
窒素がものすごく足りないと感じた場合の調整用に!
過リン酸石灰
- 即効性のあるリン酸肥料
- 石灰とあるが酸度の土壌調整の効力はない
- 水に溶けやすい
- 元肥として利用
リン酸が足りないと感じた場合の調整用に!
熔成リン肥
- アルカリ性を含むため、酸度調整としても良い
- 水に溶けにくいため、ゆっくりと時間をかけて効く
- 土壌改良として良い
果実を育てる野菜の元肥などに!
塩化カリウム
- カリウム養分が多い
- 水に溶けやすく即効性がある
- 塩化を含むため、土壌のpHを酸性側へする性質がある
カリウムが足りないと感じた場合の酸性土壌調整用に!
硫酸カリウム
- 水に溶けやすく即効性がある
- 硫酸を含むため、土壌のpHを酸性側へする性質がある
- 塩化カリウムより高価
カリウムが足りないと感じた場合の酸性土壌調整用に!
苦土石灰
- カルシウムとマグネシウムを多く含む
- ゆっくりと効果が現れ持続力が長い
- 酸性からアルカリ性へ調整する酸度の調整用
- 初めての方にオススメ
栽培前の酸度調整元肥用に!
複合肥料
複合肥料とは、要素のうち2つ以上の要素を含んだ肥料を言います。
化成肥料
写真のように、肥料で数字が並んでいる袋を見たことありませんか?
この数字は、3要素<窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)>の配分です。
栽培に合わせた要素配分の化成肥料選びに!
複合肥料によってこの数字が違うので、それぞれの植物に適したものを選ぶ必要があります。
写真の肥料を具体例にすると、リン酸(P)配分が多いことから、トマトやナスなどの実がなる野菜が、リン酸を補うのに適している肥料ということになります。
普通化成肥料
- 化成肥料「8-8-8」は初心者にオススメ
- 肥料過多になるのを防ぎ、配合バランスが良い
- 元肥、追肥ともに使いやすい
初めての栽培肥料で迷ったらこれ!
有機化成肥料
- 化成肥料「8-8-8」は初心者にオススメ
- 肥料過多になるのを防ぎ、配合バランスが良い
- 元肥、追肥ともに使いやすい
- アミノ酸が含まれ、味や色つや品質向上の効果がある
8-8-8は扱いやすい化成肥料。有機は旨味成分が含まれて美味さUP!
高度化成肥料
- 高度化成肥料「14-14-14」は、散布量に注意
- 根が傷む肥料やけが起こりやすい
- 元肥など普通化成肥料の半分の散布量で良いため効率が良い
広い畑に元肥などで使う場合は、8-8-8よりコスパが良い!
配合肥料
配合肥料は、有機質肥料や無機質肥料をバランス良く混ぜ合わせたものをいいます。
ボカシ肥料
- 有機質を微生物や菌類などを発酵熟成させた肥料
- 元肥や追肥あらゆるところで活躍する
- 果樹や果菜類など実のなる作物にオススメ
- 有機肥料の米ぬかや油粕などに、モミガラや土を混ぜて発酵させて作る肥料
3要素の配分グラフは、一般的によく混ぜ合わせる油粕や米ぬかなどを混ぜた場合の参考目安となります!
有機栽培の王道です!
ちょっと難しかったかもしれませんが、これらを基本として考え、自分なりのオリジナル土づくりを試してみるのも良いと思います。
家庭菜園を初めてみたいけど、栽培場所がない、不安という方は、貸し農園で全国展開している『シェア畑』さんもございます。スタッフがサポートもしていただけるのでオススメですよ。
楽しい野菜づくりを始める第一歩として、この記事をご参考いただけたら嬉しいです。