ピーマンは枝が折れやすく、苗選びと整枝が肝心な野菜です。この記事では、栽培計画の立て方から良い苗の選び方、植えつけ、摘花・摘果、整枝、追肥、収穫のタイミング、病気や害虫対策まで、10のポイントに分けて栽培実績をもとにわかりやすく紹介します。
記事の写真は、すべて私が撮影したものです。2021年は4月24日に苗、5月30日に水やり、6月25日に収穫の写真を撮りました。背丈が小さいうちに花や蕾を思いきって摘むと、後で大きな実をたくさん実らせてくれる、というのが私の経験です。
結論:ピーマンをたくさん実らせる5つのコツ
- 植えつけは関東で5月上旬(ゴールデンウィーク頃)。種から育てるなら3月上旬にまく。枝が折れやすいので、植えたら支柱に誘引する
- 背丈が小さいうちは、花や蕾を思いきって摘む。私の経験では、その方が後で大きな実がたくさんつく
- 整枝は、1番花より下のわき芽を取り、株の中心(内側)へ伸びる枝を切って風通しよく
- 乾燥に弱い。土の表面が乾いたらたっぷり、乾く時期は朝夕2回
- 収穫した実の穴は、1つなら中に幼虫がいる可能性が高い。8月〜9月は特に気をつける
ピーマンは、苗選びと整枝が肝心な野菜です。種まき・植えつけ・追肥・収穫の時期は、「植えつけは5月上旬が「◎」」の章で1つの表にまとめました。実に穴があいていたときの見分け方と、葉がまだらになる病気の対策は、記事の後半で紹介します。
ピーマン栽培10のポイント

ピーマン栽培を管理していくうえで、必要な情報をまとめてみました。
これから紹介する10のポイントをおさえれば、失敗する確率は低いと考えています。
ピーマンの栽培計画を立てよう
初めてピーマン栽培をされる方は、種からではなく苗から育てるのがオススメ!
用語や必要な知識については、野菜づくりの知識の中でそれぞれ詳しく解説していますのでご覧ください。
簡単用語解説
平畝(ひらうね):高さが5cm〜10cmの一般的な畝
1条植え:1列で野菜を植える
2条植え:2列で野菜を植える
畝幅:野菜を植える床の幅
株間:野菜の苗と苗の間
支柱:野菜苗の茎やツルを這わせたりして、実や株の重さから支える柱
マルチ:ビニールなどで土を覆うための資材
同じ場所でナス科を続けて育てない
本などから調べた一般的な情報です。ピーマンはナス科の野菜です。種苗会社の資料では、ナス・トマト・ピーマンなどナス科の野菜を3〜4年育てていない場所を選ぶようすすめています(サカタのタネ「ナス」の資料)。
土壌酸度のpHを6.0に調整しよう
ピーマンは、平均よりやや酸性寄りの土壌のpHを好む野菜です。
具体的な数値として、pHは5.5〜6.5以内でOKです。

市販の酸度計をいろいろと試しましたが、こちらのタイプに落ち着きました!
電池要らずで、穴掘って水いれて刺して測るだけ!
1㎡の面積あたりpHを0.5上げるには、「石灰」をひと握りまきます。
反対にpHを0.5下げるには、「ピートモス」をひと握りまきます。
酸度調整用として保有していると便利ですよ!
植えつけは5月上旬が「◎」

ピーマンの苗は、ホームセンターなどで4月上旬ごろから販売されていますが、あまり元気な苗でないことが多いのと、植えつけたとしても寒さ対策をする必要があるのでご注意ください。
関東の場合ですと、ゴールデンウィーク頃が1番良い時期です。
ピーマン栽培の時期の目安(種まき〜収穫)
植えつけ・摘花・水やり・追肥の「4週間に1回」は、この記事の私のやり方です。種まき・整枝・収穫の目安と、追肥の一般的な目安は、本などから調べた一般的な情報です。
| 作業 | 時期の目安(関東) | ポイント |
|---|---|---|
| 種まき | 3月上旬(植えつけの約65日前) | 発芽に25〜30℃が必要。初めての方は苗から |
| 苗の購入 | 4月上旬ごろから販売 | 品種は『京波』がオススメ |
| 植えつけ | 5月上旬(ゴールデンウィーク頃) | 枝が折れやすいので注意。支柱に誘引 |
| 摘花・摘果 | 背丈が小さいうち | 花や蕾を思いきって摘む |
| 整枝 | 1番花が咲く頃から | 1番花より下のわき芽を取る |
| 水やり | 土の表面が乾いたら | 乾く時期は朝夕2回 |
| 追肥 | 4週間に1回(私のやり方) | 一般的には1番果の収穫が始まった頃から2週間に1回 |
| 収穫 | 開花から15〜20日ほど | 株が小さいうちは早めに。採り遅れると株が弱る |
出典:種まき・植えつけ(5月上中旬、地温15℃以上)・整枝・追肥の一般的な目安・採り遅れはタキイ種苗、収穫の日数は Honda の家庭菜園の資料
種から育てる場合
本などから調べた一般的な情報です(タキイ種苗)。
- 種まき:植えつけの約65日前(3月上旬)にまく。昼も夜も25〜30℃に保つと、6〜7日で芽が出る
- 植えかえ:まいてから25〜30日、3枚目の本葉が開き始めたら、12〜15cmのポットに移す
- 植えつけ:1番花が咲く直前の苗を、遅霜の心配がなく地温が15℃以上になる5月上中旬に植える
3月の寒い時期に25〜30℃を保つのは、家庭では難しい作業です。初めての方は、この記事のとおり苗から育てるのがおすすめです。
苗選びは6つのポイントをおさえよう
ホームセンターなどで苗を購入するとき、どのような苗を選んだら良いのでしょうか?

- 太い茎の苗
- 葉が虫に食べられていないもの
- 節間が詰まっているもの
- 葉に厚みがあるもの
- 葉の緑色が濃いもの
- 子葉(双葉)があるもの
枝が折れやすいので注意して植えよう

植えつけ後は、苗が倒れやすいので、先に立てた支柱に誘引するのも良いです。

多めに水やりして乾燥を防ごう

土の表面が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。
※乾燥に弱い野菜です。土をカラカラに乾かさないようにしましょう。
本などから調べた一般的な情報です。ピーマンは根が浅く、土が湿りすぎるのも、乾きすぎるのも嫌います(タキイ種苗)。水はけと水もちのバランスが良い土にしておくと、水やりが楽になります。
化成肥料を月1回追肥しよう

株元から10cm〜20cm程度離した周りのところへ、土と混ぜながら追肥します。
追肥の時期:始めどきと間隔の目安
私は4週間に1回、1株に半握り(約40g)を追肥しています。資料では、もう少し短い間隔がすすめられています。
| 資料 | 始める時期 | 間隔 |
|---|---|---|
| タキイ種苗 | 1番果の収穫が始まった頃 | 2週間に1回 |
| Honda の家庭菜園の資料 | 一番果を収穫した後 | 2週間おき |
| 私のやり方 | ― | 4週間に1回 |
株の勢いが落ちてきたら、実を小さめに採ったり、実の数を減らしたりして回復させるとよいとされています(タキイ種苗)。
背丈が小さいうちは摘花・摘果しよう

本当に大丈夫?と思うかもしれませんが、これまでの経験より、背丈が小さいうちは、花や果実に対して多くのパワーを使ってしまうこともあり、早めに花や蕾を摘んだ方が、後に大きな実をたくさん実らせてくれます。
しっかりとしたベースを作ってから、実を育てるイメージかな…!
中心部へ向かう枝を整枝しよう

ピーマンは、枝が次々と分かれて生長し、付け根の部分に花を咲かせ果実になります。
育てていく果実に養分を届けるために、整枝をして実らせるピーマンの数を減らしていきましょう。
剪定する枝選びのコツは、中心へ伸びている枝を切ると良いですよ。
整枝のやり方は、次の「整枝の手順」で順に紹介します。
整枝の手順
本などから調べた一般的な情報です(タキイ種苗)。この記事の「中心へ伸びている枝を切る」は、手順3にあたります。
- 1番花が咲く頃に、1番花より下から出ているわき芽を、すべて手でかき取る
- 1番花のあたりで分かれた枝を伸ばす。家庭菜園では、主枝と勢いのよい側枝2本を伸ばす「3本仕立て」がよく紹介されています(Honda の家庭菜園の資料)
- 枝が込み合ってきたら、株の内側(ふところ)へ伸びる細い枝を間引き、日当たりと風通しを良くする
- 葉がまだらになった株(モザイク病)を触った手やハサミで、ほかの株を触らない。病気が手やハサミからうつることがあるため(島根県)
株が小さいうちは早めに収穫しよう

収穫する方法は、ピーマンの付け根をハサミで切ればOKです。
収穫の目安
本などから調べた一般的な情報です。
- 開花から15〜20日ほどが目安(Honda の家庭菜園の資料)。タキイ種苗の資料では、1個30gほどを目安に2〜3日おきに収穫
- 採り遅れると株の勢いが弱まり、収穫が減る(タキイ種苗)。この記事の「株が小さいうちは早めに収穫」と同じ考え方です
かかりやすい病気と害虫の情報
ピーマンにかかりやすい病気と害虫の情報を、多くの本やこれまでの経験からまとめてみました。
本などから調べた一般的な情報です。葉や実の様子から見当をつけられるように表にしました。
| 名前 | 見分け方 | 発生時期 | 被害部位 |
|---|---|---|---|
| アブラムシ | 葉裏や新芽に約2mmの小さな虫がたくさんつく | 4月〜11月 | 葉裏、新芽 |
| オオタバコガ | 果実に円い穴があき、中に糞がある | 6月〜10月 | 果実、茎葉、蕾 |
| モザイク病(病気) | 葉に濃淡のあるモザイク状の斑が入り、葉が萎縮する | 章の本文を参照 | 葉 |
| 疫病(病気) | 茎・葉・実が水がしみたように変色して枯れる。湿ると白っぽいカビ | 雨が多く水はけが悪いとき | 茎、葉、果実 |
島根県の資料では、アブラムシは春(4月〜6月)に最も多く、秋にも多いとされています。
ウイルス病を伝染!アブラムシ
寄生した部位の汁を吸って生育を阻害したり、モザイク病などウイルス病を媒介したりする害虫なので注意が必要です。

葉裏や新芽に体長約2mmの小さな虫がたくさんついている。
4月〜11月
葉裏、新芽
- 見つけたら潰して取り除く
果実に侵入!オオタバコガ
幼虫の体色は、緑色から褐色までさまざまで、小さいうちは新芽や花蕾を食べます。

果実に小さい円い穴があき、中に糞がある
6月〜10月
果実、茎葉、蕾
- 防虫ネットで成虫の産卵を防ぐ
- 見つけたら潰して取り除く
- 早期発見に努める
- 果実は切り取り処分する
収穫した実に虫はいる?穴の数で見分ける
本などから調べた一般的な情報です(島根県)。オオタバコガの仲間の幼虫は、実に入る穴と、出ていく穴の2つをあけます。
- 穴が1つ:中に幼虫がいる可能性が高い。実を切って中を確かめ、幼虫がいたら取り除く
- 穴が2つ:幼虫はもう出ている。1匹が何個も実を渡り歩くので、近くの実も確かめる
- 被害は6月下旬から見られ、8月〜9月に多くなる。島根県の生産現場では、被害が最も多い9月に、被害を受けた実が2割を超えることもあるとされています
- 穴のあいた実は、穴のまわりから腐って食べられなくなる
ウイルスが原因!モザイク病
ウイルス性の病気です。アブラムシが汁を吸うことで広がるもの(キュウリモザイクウイルス)と、手やハサミ、土から広がるもの(タバコモザイクウイルス)があります。
葉に濃淡のある緑色のモザイク状の斑が入り、葉が萎縮する
3月〜6月
葉
- 発病した株ごと抜き取り処分する
- 病気の株を触った手やハサミで、ほかの株を触らない。周辺の株を観察し、怪しいところは除去する
カビが原因!疫病
茎や葉、実が、水がしみたように変色して枯れてきたら「疫病」を疑いましょう。水はけの悪い畑で出やすい病気です。
- 症状:茎・葉・実が、水がしみたように変色して枯れる。湿ると、灰白色の霜のようなカビが出る(島根県)
- 発生時期:雨が多いとき。水はけの悪い畑や、水につかった畑で多い(島根県)
- 被害部位:茎、葉、果実
- 予防方法:高畝などで水はけを良くする。ナス科・ウリ科の野菜にもうつる病気なので、続けて同じ場所に植えない(島根県)
- 対処方法:病気の株や実は畑に残さず、早めに取り除く。病原菌は土の中で2〜3年生き残るため(島根県)
まとめ
- 栽培計画:平畝で、1条植えなら畝幅50cm、株間50cm。ナス科を続けて育てた場所は避ける
- 土と植えつけ:pH は5.5〜6.5(6.0前後)。関東では5月上旬に植え、枝が折れないよう支柱に誘引する
- 水やり:土の表面が乾いたらたっぷり。乾く時期は朝夕2回
- 追肥:私は4週間に1回、1株に半握り。一般的には収穫が始まった頃から2週間に1回
- 摘花と整枝:背丈が小さいうちは花や蕾を摘む。1番花より下のわき芽を取り、中心へ伸びる枝を切る
- 収穫:開花から15〜20日ほど。株が小さいうちは早めに採り、採り遅れない
- 病気と害虫:実の穴は1つなら中に幼虫がいる可能性が高い。葉がまだらならモザイク病、水はけが悪いと疫病に注意
ピーマン栽培を初めてされる方が、抵抗なく楽しく栽培していただけるように、私の経験から具体例を取りまとめて記事にしてみました。
これらをご参考いただき、いろいろな栽培方法(土づくりや肥料など)を考えて、家庭菜園を楽しんでくださる方が少しでも増えてくれたら嬉しいです。








