スイカは、摘心と人工授粉が収穫量を左右する野菜です。この記事では、栽培計画から苗選び、寒さ対策、摘心、人工授粉、防鳥対策、玉直し、収穫のタイミング、病気や害虫対策まで、14のポイントに分けて栽培実績をもとにわかりやすく紹介します。
私の畑では2021年、5月3日にネギと一緒にスイカの苗を植えつける写真を、5月23日に親づるの摘心、6月13日に人工授粉、6月28日に紐の鳥よけ、7月11日に収穫の写真を撮りました。記事の写真は、すべて私が撮影したものです。
結論:スイカの摘心の方法と、大きく実らせる4つのコツ
- 親づるは本葉5枚を残して早めに摘心し、子づるを2〜4本伸ばす。孫づるは摘み取る
- 植えつけは関東で5月上旬(ゴールデンウィーク)。接木苗を2つ以上選び、ネギと根を絡めて植える。5月いっぱいはビニールや苗帽子で寒さから守る
- 本葉13節ぐらいより先に咲いた雌花に人工授粉し、日付を書いた目印をつける
- 授粉から約35日(小玉)〜50日(大玉)が目安。巻きヒゲがこげ茶色で硬くなり、叩いて「ポン」と鳴ったら収穫する
一部のつるだけが急にしおれたら、つる割病を疑いましょう。治せない病気なので、接木苗を選び、同じ場所でウリ科を続けて作らないことが予防になります。葉に円い穴があき、オレンジ色の小さな甲虫がいたらウリハムシです。病気や害虫の説明は本などから調べた一般的な情報で、記事の後半の早見表で見分けられるようにしました。
スイカ栽培14のポイント

スイカ栽培を管理していくうえで、必要な情報をまとめてみました。
次に紹介する14のポイントをおさえれば、失敗する確率は低いと考えています。
スイカの栽培計画を立てよう
用語については、野菜づくりの知識の中でそれぞれ詳しく解説していますのでご覧ください。
◇簡単用語解説
高畝とは・・・高さが15㎝以上の高めの畝
1条植えとは ・1列で野菜を植える
畝幅とは・・・野菜を植える床の幅
株間とは・・・野菜の苗と苗の間
マルチとは・・ビニールなどで土を覆うための資材
土壌酸度のpHを5.0〜6.5に調整しよう
スイカは、やや酸性よりな土壌のpHを好む野菜です。
具体的数値として、pHを5.0〜6.5以内でOKです。

市販の酸度計をいろいろと試しましたが、こちらのタイプに落ち着きました!
電池要らずで、穴掘って水いれて刺して測るだけ!
1㎡の面積でpHを0.5上げるには、「石灰」を一握りまきます。
反対にpHを0.5下げるには、「ピートモス」を一握りまきます。
酸度調整用として保有していると便利ですよ!
植えつけは5月上旬が「◎」

スイカの苗は、ホームセンターなどで4月中旬ごろから販売されていますが、あまり元気な苗でないことが多いのと、植えつけたとしても寒さ対策をする必要があるのでご注意ください。
関東の場合でしたら、5月のゴールデンウィークが1番良い時期です。
| 作業 | 時期の目安(関東) | ポイント |
|---|---|---|
| 苗の購入 | 4月中旬ごろから販売 | 接木苗を2つ以上 |
| 植えつけ | 5月上旬(ゴールデンウィーク) | ネギと一緒に植える |
| 寒さ対策 | 5月いっぱい | ビニールで囲う・苗帽子を被せる |
| 水やり | 活着するまで | その後は基本的に雨のみ |
| 親づるの摘心 | 早めに | 本葉を5枚残す |
| 子づるの整枝 | 摘心の後 | 子づるを2〜4本。孫づるは全て摘み取る |
| 人工授粉 | 本葉13節ぐらいより先の雌花が咲いたら | 日付を書いた目印をつける |
| 追肥 | 基本は不要 | 窒素が多いとつるボケ |
| 防鳥対策 | 実が大きくなってきたら | 紐を張り巡らせる |
| 玉直し | 1〜2週間おき | 下にわらなどを敷く |
| 収穫 | 授粉から約35日(小玉)〜50日(大玉) | 巻きヒゲがこげ茶色で硬い |
苗選びは8つのポイントをおさえよう
ホームセンターなどで苗を購入するとき、どのような苗を選んだら良いのでしょうか?

- 葉や茎が虫に食べられていないもの
- 本葉が3〜4枚ぐらい
- 節と節の間が詰まっている
- 葉にツヤがあり緑色が濃いもの
- 株元がしっかりしている
- 大きな子葉があるもの
- 接木苗のもの
- ポットの底穴から出ている根が白いもの
スイカの苗は、受粉の確率を高めるため、まとめて2つ以上の購入がオススメです。
2つ以上の苗を購入する理由は、受粉の確率を上げるためです。品種が異なっていても大丈夫です。
苗の数が多いほど、受粉の確率は上がりますが、人工的に授粉させる方法もあります。
接木苗を選ぶ理由
本などから調べた一般的な情報です。スイカで最も注意が必要な病気の「つる割病」は、ユウガオなどの台木に接いだ苗(接木苗)で避けられるとされています。つる割病は同じ場所で続けて作ると出やすくなるため、4〜5年あけて作るか、接木苗を使います(サカタのタネ)。
病気予防!ネギと一緒に植えつけよう
病気に強くなるスイカの植えつけ手順!







5月までは寒さから苗を守ろう

5月上旬に苗を植えた場合、スイカにはまだ寒い時期です。5月いっぱいをメドに、写真のようにビニールで囲ったり、苗帽子などを被せたりして寒さ対策をすると、苗が枯れたり寒さにやられたりするのを防げます。
活着したら水やりを控えよう

苗を植えつけて、活着するまで水やりOK!
その後は、基本的に雨のみで十分です。
※乾燥に強く暑さに強い野菜なので、水を控えめにして、直射日光の当たる場所で育てると甘いスイカに育ちます。ただし、晴れが続いて土が乾ききるときは、株元を避けて水をやりましょう。乾燥が続くと、記事の後半のハダニ類が出やすくなります。
本葉を5枚残して早めに親づるを摘心しよう

親づるを摘心して子づるを伸ばして栽培するため、**本葉を5枚残して親づるを摘心(カット)します**。
写真の例は、本葉6枚目以降が生長しているため、もっと早めに摘心(カット)した方が良いです。
早めに摘心(カット)することで、生長させていく子づるに早く養分を送ることができます。
2〜4本伸ばす子づるを整枝して決めよう

親づるの摘心で残した本葉のわき芽からつるが伸びてきます。これが子づるです。
この子づるの中から勢いのあるつるを2〜4本に決めて、それを生長させていきます。
子づるのわき芽からさらに孫づるが伸びてきますが、**全て摘み取りましょう**。
| 子づるの本数 | 実の育ち方 |
|---|---|
| 2本 | 2本へしっかり栄養が行きわたり、大きく育つ |
| 3本 | 2本と4本の間 |
| 4本 | 育てる数は多くなるが、栄養が分散して小さく育つ |
13節以降の雌花から授粉しよう

スイカの苗からは、雄花と雌花がそれぞれ咲きます。
スイカを大きく実らせるためには、雄花の花粉を雌花に運んであげる必要があります。
スイカの雌花は、節の後半に咲く傾向が高く、最初の方は雄花ばかりが咲くため受粉することができません。
- ミツバチたちに付着した花粉が、雄花から雌花へ運ばれる
- 雄花の花粉を雌花へ人工的に授粉させる
**本葉13節ぐらいより先に咲いた雌花**へ授粉させてあげると形の良い実に育ちます。
人工的に授粉させる方法をお伝えいたします。



スイカの花は、株元に近いと雄花が多く、つるを伸ばしていくとだんだん雌花が咲いてきます。
雌花が咲いてきてからがスイカを実にならせる勝負のポイントとなりますので、それまでの雄花を摘み取り、その分の養分をつる先へどんどん送ってあげましょう。
授粉は朝9時頃まで。残す実は卵の大きさで選ぶ
本などから調べた一般的な情報です。種苗会社の資料では、雌花が咲いた日の朝9時頃までに人工授粉するとされています。各子づるの2番目の雌花を使い、1番目と3番目の雌花は形の悪い実になりやすいので摘み取ります。実が卵くらいの大きさになったら、形の良い長卵形の実を残します(サカタのタネ)。
追肥は不要

元肥でしっかり有機を取り入れた土づくりをしていれば、スイカに必要な養分は十分です。
追肥が必要と判断された場合は、畝の肩や通路に、初心者にオススメの万能な化成肥料(8-8-8)、もしくは窒素少なめの化成肥料(5-15-10など)を与えてください。
窒素分が多いとつるボケを起こしやすくなり病気の原因となります。
追肥をするなら2回が目安
本などから調べた一般的な情報です。種苗会社の資料では、子づるが50cmくらいに伸びた頃と、実が卵の大きさになった頃の2回、化成肥料をひと握り(約50g)ずつやるとされています。元肥の窒素が多いと、つるが茂りすぎて実がつきにくくなります(サカタのタネ)。この記事の「つるボケ」と同じことです。
紐を張り巡らせて防鳥対策をしよう

ここでは、鳥被害にあわないための対策をお伝えいたします。
- 紐を囲うように張る
- 鳥は羽根にものが触れることを嫌う
- キラキラ光るものを設置する
- 鳥は反射や光るものを嫌がる
- トンネルなどを設置して作物を守る
- 物理的に侵入できないようにする
鳥が羽根に触れるような絶妙な位置にヒモなどで作物を囲ってあげましょう。


写真は参考ですがこれではまだスキがあります。
もう一段高い位置に紐を張り巡らせるなどして、鳥がスイカの実に近づけなく、かつ鳥が羽ばたくと紐に当たるところに紐を張り巡らせれば、鳥対策としては理想です。
玉直し(玉返し)でまんべんなく日光に当てよう

スイカの表面に太陽光が当たっていない下の部分は黄色くなってしまいます。
玉直しをする際は、病気の原因にもなるので、下側に土がつかないように、わらなどを敷いてあげると良いです。
太陽光をムラなく当てることで、スイカの甘味もグッと増しますよ!
玉直しを始める時期
本などから調べた一般的な情報です。種苗会社の資料では、花が咲いてから30日を過ぎた頃に、それまで日陰だった側に日が当たるように置き直すとされています(サカタのタネ)。
ポンポン!ヒゲがこげ茶色で収穫しよう

スイカの収穫は、ハサミで切り取ります。
※ハサミはきれいなものを使用しましょう。
- 根元の巻きヒゲの状態で判断しよう
- 緑色で柔らかい・まだまだ未熟なのでもう少し待ちましょう
- こげ茶色で硬い・収穫適期の目安です
- スイカの実を叩いて音で判断しよう
- 音が高い・・・・まだまだ未熟なのでもう少し待ちましょう
- 音がポン・・・・ちょうど良い音を確認しておくと次からの判断基準に
- 音が低い・・・・もう熟し過ぎているかも


収穫のタイミングを逃すと、皮が割れてくるので注意しましょう。
かかりやすい病気と害虫の情報
スイカにかかりやすい病気と害虫の情報を、多くの本などから調べてまとめてみました。
本などから調べた一般的な情報です。葉やつるの異変から探せるように、病気と害虫を表にまとめました。
| 名前 | 見分け方 | 発生時期 | 被害部位 |
|---|---|---|---|
| ハダニ類 | 葉に黄色いまだら模様、葉裏に微小な虫 | 5月〜8月 | 葉、葉裏 |
| ウリハムシ | 葉に円い穴。背中がオレンジ色の甲虫 | 4月〜10月 | 葉 |
| つる割病 | 一部のつるだけしおれる。茎が割れてヤニが出る | 連作した畑で出やすい | 茎、根 |
| つる枯病 | 株元や節に水がしみたような病斑。ヤニと小さな黒い粒 | 低温で湿気が多いとき | 茎、葉、実 |
クモの仲間!ハダニ類
高温で乾燥した条件を好むため、梅雨明け以降に発生しやすい。
葉に黄色いまだら模様が現れ、葉裏に微小な虫がいる
5月〜8月
葉、葉裏
- 密植を避けて、風通しをよくし、周辺を除草する
- 株元に敷き藁などでマルチング
- 夏場は乾燥しないように適度な水やりを実施
- 水分に弱いため、葉裏にストチュウ水など水気のスプレーをする
食害性害虫!ウリハムシ

葉に円い穴があいている
葉の上にオレンジ色の甲虫がいる
4月〜10月
葉
- 光が嫌いなので、シルバーマルチなどを利用する
- 光が反射するような防虫グッズを利用する
- 苗が小さいうちに防虫ネットを張って飛来するのを防ぐ
- ウリハムシの成虫を発見したら捕殺する
- 早朝はウリハムシの動きが鈍いので捕殺しやすい
カビが原因!つる割病
一部のつるだけがしおれてきたら「つる割病」を疑いましょう。
- 症状:初めは一部のつるだけがしおれる。進むと茎が黄褐色になってヤニを出し、乾くと割れる(サカタのタネ・農文協)。根はアメ色に変わって腐る(農文協)
- 発生時期:同じ場所で続けて作ると出やすい(サカタのタネ)
- 被害部位:茎(つる)、根
- 予防方法:接木苗を使う。同じ場所でウリ科を続けて作らず、4〜5年あける(サカタのタネ)
- 対処方法:治すことができないので、株を抜き取って処分する(サカタのタネ)
カビが原因!つる枯病
株元の茎や節に、水がしみたような病斑ができ、ヤニが出ていたら「つる枯病」を疑いましょう。
- 症状:茎の節や株元に、水がしみたような病斑ができ、ヤニが出て、のちに小さな黒い粒ができる。葉には褐色の大きな斑点ができる(農文協)
- 発生時期:気温が低く、湿気が多いとき(茨城県の予防方法から)
- 被害部位:茎、葉、実
- 予防方法:水は株元に直接かけず、株元が乾いたり湿ったりを繰り返さないようにする。肥料が切れて株が弱らないようにする。曇りや雨の日は、ハサミを使う作業をしない(茨城県)
- 対処方法:被害を受けた株や茎、葉は早めに取り除き、処分する(茨城県)
まとめ
- 栽培計画:水はけが良い高畝に1条植え。畝幅100cm以上、株間80cm以上。つるを伸ばす方向を決めておく
- 苗選びと植えつけ:関東では5月上旬(ゴールデンウィーク)。接木苗を2つ以上。ネギと根を絡めて植え、5月いっぱいは寒さ対策
- 水やり:活着するまで水やりし、その後は基本的に雨のみ。乾ききるときは株元を避けて水をやる
- 摘心と整枝:本葉5枚を残して早めに親づるを摘心。子づるは2〜4本、孫づるは摘み取る
- 授粉と追肥:本葉13節ぐらいより先の雌花に人工授粉し、日付の目印をつける。追肥は基本不要(窒素が多いとつるボケ)
- 鳥よけ・玉直し・収穫:紐を張り巡らせて鳥から守り、1〜2週間おきに玉直し。授粉から約35日(小玉)〜50日(大玉)、巻きヒゲと音で収穫を判断
- 病気と害虫:一部のつるがしおれたらつる割病、株元のヤニはつる枯病、葉の円い穴はウリハムシ、葉裏の微小な虫はハダニ類を疑う
スイカ栽培を初めてされる方が、抵抗なく楽しく栽培していただけるように、私の経験から具体例を取りまとめて投稿してみました。
これらをご参考いただき、いろいろな栽培方法(土づくりや肥料など)を考えて、家庭菜園を楽しんでくださる方が少しでも増えてくれたら嬉しいです。








