ズッキーニは、支柱立てと人工授粉が収穫量を左右する野菜です。この記事では、栽培計画から苗選び、支柱立て、人工授粉のやり方、摘葉、追肥、収穫のタイミング、病気や害虫対策まで、11のポイントに分けて栽培実績をもとにわかりやすく紹介します。
私の畑では2021年、5月3日にネギと一緒にズッキーニの苗を植えつける写真を、6月6日に摘葉の前と後、6月8日に人工授粉、6月12日に収穫の写真を撮りました。記事の写真は、すべて私が撮影したものです。
結論:ズッキーニの受粉方法と、たくさん実らせる4つのコツ
- 雌花が開く早朝に、雄花の花びらを取って雌しべに花粉をつける(人工授粉)
- 植えつけは関東で5月上旬(ゴールデンウィーク)。苗は2つ以上買い、ネギと根を絡めて植える
- 株は大きくなると倒れやすい。植えつけ場所から15cmぐらい離して支柱を立て、主軸を誘引する
- 実は2〜3日で大きくなる。長さ20cm前後を目安に、早めに収穫する
実が小さいまま先から腐るときは、受粉がうまくいっていないか、灰色かび病が考えられます。葉に白い粉が出たらうどんこ病、緑の濃淡のまだら模様ならモザイク病、円い穴があいていたらウリハムシを疑いましょう。病気や害虫は、記事の後半の早見表で見分けられるようにしました。
ズッキーニ栽培11のポイント

ズッキーニ栽培を管理していくうえで、必要な情報をまとめてみました。
次に紹介する11のポイントをおさえれば、失敗する確率は低いと考えています。
ズッキーニの栽培計画を立てよう
用語については、野菜づくりの知識の中でそれぞれ詳しく解説していますのでご覧ください。
◇簡単用語解説
高畝とは・・・高さが20㎝以上の高めの畝
1条植えとは ・1列で野菜を植える
畝幅とは・・・野菜を植える床の幅
株間とは・・・野菜の苗と苗の間
支柱とは・・・野菜苗の茎やツルを這わせたりして実や株の重さから支える柱
誘引とは・・・支柱と茎などをヒモなどで結ぶ作業
マルチとは・・ビニールなどで土を覆うための資材
土壌酸度のpHを6.0〜6.5に調整しよう
ズッキーニは、平均的な土壌のpHを好む野菜です。
具体的なpH値として、6.0〜6.5ぐらいに調整しましょう。

市販の酸度計をいろいろと試しましたが、こちらのタイプに落ち着きました!
電池要らずで、穴掘って水いれて刺して測るだけ!
1㎡の面積でpHを0.5上げるには、「石灰」を一握りまきます。
反対にpHを0.5下げるには、「ピートモス」を一握りまきます。
酸度調整用として保有していると便利ですよ!
植えつけは5月上旬が「◎」

ズッキーニの苗は、ホームセンターなどで4月上旬ごろから販売されていますが、あまり元気な苗でないことが多いのと、植えつけたとしても寒さ対策をする必要があるのでご注意ください。
関東の場合でしたら、5月のゴールデンウィークが1番良い時期です。
| 作業 | 時期の目安(関東) | ポイント |
|---|---|---|
| 苗の購入 | 4月上旬ごろから販売 | 2つ以上買う(品種が違ってもよい) |
| 支柱立て | 植えつけ前 | 植えつけ場所から15cmぐらい離し、深さ30cm以上 |
| 植えつけ | 5月上旬(ゴールデンウィーク) | ネギと一緒に植える |
| 水やり | 活着するまで。その後は土の表面が乾いたら | 花や実の頃は多めに |
| 人工授粉 | 花が開く早朝 | 雄花の花粉を雌しべにつける |
| 摘葉 | 下葉に勢いがなくなったら | きれいなハサミで切る |
| 追肥 | 実をつけはじめた頃から2週間に1回 | 1㎡あたりひと握り(約80g) |
| 収穫 | 2〜3日で大きくなるので早めに | 根元からハサミで切る |
苗選びは5つのポイントをおさえよう
ホームセンターなどで苗を購入するとき、どのような苗を選んだら良いのでしょうか?

- 葉や茎が虫に食べられていないもの
- 本葉が3〜4枚ぐらい
- 葉に厚みがあり緑色が濃いもの
- 子葉が緑色のもの
- 大きな子葉があるもの
ズッキーニの苗は、受粉の確率を高めるため、まとめて2つ以上の購入がオススメです。
2つ以上の苗を購入する理由は、受粉の確率を上げるためです。品種が異なっていても大丈夫です。苗の数が多いほど、受粉の確率は上がりますが、人工的に授粉させる方法もあります。
病気予防!ネギと一緒に植えつけよう
病気に強くなるズッキーニの植えつけ手順!







苗のバランスを保つために支柱を立てよう
ズッキーニの支柱立てには、大きく2つの方法があります。
- 支柱を植えつけ場所から30cmぐらい離して立て、葉の茎同士を支柱に挟み込んで固定する方法
- 植えつけ近くに支柱を立てて茎を誘引していく方法
ここでは、2の方法についてお伝えします。

苗を植えつける前に、支柱を事前に植えつけ場所から15cmぐらい離して立てておきます。
先に立てておく理由は、植えつけた後に支柱を立てると根っこを傷つけてしまうためです。

私の畑では、この写真の年は株が育ってから、倒れそうになったので支柱を立てました。根を傷つけないためにも、本当は植えつけ前に立てておくのがおすすめです。
花や実をつけたら水やりしよう

花や実をつける頃は、水分を多く必要とします。
根が浅く、水切れしやすい野菜です。花や実をつける頃は、土の表面が乾いたら忘れずに水をやりましょう。
花が開く早朝に人工授粉(受粉)をしよう

| 花 | 見分け方 |
|---|---|
| 雄花 | 花の付け根がスッキリ |
| 雌花 | 花の付け根がふっくら |


- ミツバチたちに付着した花粉が、雄花から雌花へ運ばれる
- 雄花の花粉を雌花へ人工的に授粉させる
人工的に授粉させる方法をお伝えいたします。
雄花の花粉がミツバチなどに運ばれて自然に付くことを「受粉」と書き、雄花の花粉を人工的に付けることを「授粉」と書きます。
ズッキーニの花は、早朝しか開いていません。日が昇り始めると花を閉じてしまいます。
人工授粉のやり方




実が育たずに腐るときは
- 受粉できなかった雌花は、実が大きく育ちません。ミツバチなどの虫が飛んでいない朝は、人工授粉をしましょう(サカタのタネ)
- 灰色かび病は花に出て、そこから実が腐ることがあります(サカタのタネ)。しぼんだ花が実の先に残っているときや、腐った花・実は、早めに取り除きましょう(茨城県)。詳しくは、記事の後半の「灰色かび病」の章へ
摘葉して風通しをよくしよう



ズッキーニは、下部から順に花が咲き、実になり、収穫していきます。

下側の葉はダンダン元気がなくなっていき、若い葉がドンドン上部から生えてきます。
上部に元気な葉があれば、下葉を主軸付近から少し離して切り取りましょう。切り口から病気になるのを防ぐため、ハサミはきれいなものを使いましょう。
切り取ることで風通しが良く病害虫対策になり、根からの栄養が新しい花や葉に届きやすくなります。
誘引は、支柱と主軸の部分が倒れないようにバランスを取ります。また、誘引紐が花や実などに食い込まないように注意することが必要です。
花や実がついたら追肥しよう

ズッキーニは、花や実をつけ始めた頃から、たくさんの養分を必要とするので、2週間に1回のペースで畝の肩あたりに追肥しましょう。
マルチ栽培などで、畝の肩あたりへの追肥が難しい場合は、通路でも良いです。
肥料のやりすぎ(肥料過多)に注意
この記事の病気の章のとおり、窒素の与えすぎは、うどんこ病やモザイク病を防ぐうえでも避けます。茨城県の資料によると、ウリ科の野菜では、窒素が多すぎないようにして、肥料を適切に管理することが、病気(炭疽病)を防ぐ方法の1つだそうです。追肥は、この章の量と間隔を目安にしましょう。
きれいなハサミで切って収穫しよう

ズッキーニの実は、2〜3日もすれば、あっという間に大きくなります。
収穫のタイミングを逃すと、すぐに大きくなるので注意しましょう。
収穫の目安は長さ20cm前後
種苗会社の資料では、花が咲いてから4〜6日、長さ約20cmの若い実を採るそうです。収穫が遅れると、実が大きくなって味が落ち、株にも負担がかかります(サカタのタネ)。

かかりやすい病気と害虫の情報
ズッキーニにかかりやすい病気と害虫の情報を、多くの本などから調べてまとめてみました。
葉や実の異変から探せるように、病気と害虫を表にまとめました。
| 名前 | 見分け方 | 発生時期 | 被害部位 |
|---|---|---|---|
| うどんこ病 | 葉に小麦粉をまぶしたような白いカビ | 5月〜10月 | 葉 |
| カボチャモザイク病 | 緑色で濃淡のあるモザイク状の斑 | 4月〜10月 | 葉 |
| 灰色かび病 | 花から実が腐る | 低温で湿気が多いとき | 花、実 |
| ウリハムシ | 葉に円い穴。背中がオレンジ色の小さな甲虫 | 葉の被害は5月下旬〜6月に多い | 葉、根、実 |
| アブラムシ | 新芽や葉に小さな虫が群がる。モザイク病を運ぶ | 植えつけてすぐの頃から注意 | 新芽、葉 |
カビによる伝染病!うどんこ病
梅雨時期から夏にかけて多く発生するので、株間をあけ、風通しの良い環境を整えましょう。

葉に小麦粉をまぶしたような白いカビが生える
5月〜10月
葉
- 被害を受けた葉は、早めに取り除き、他への伝染源を断つ
- 重曹と水やオイルや食酢を混ぜてたものをスプレーする
- 配合例1:重曹(1g)+水(500ml)+酢(20ml)+植物性オイル(5ml)
- 配合例2:重曹(1g)+水(500ml)+酢(20ml)
- 配合例3:重曹(1g)+水(500ml)
ウイルスによる伝染病!カボチャモザイク病
緑色で濃淡のあるモザイク状の斑がある
4月〜10月
葉
- 発病した株ごと抜き取り処分する
カビによる伝染病!灰色かび病
実の先や花が腐ってきたら「灰色かび病」を疑いましょう。
- 症状:花に出て、そこから実が腐ることがある(サカタのタネ)
- 発生時期:気温が低く、湿気が多いとき(茨城県の予防方法から)
- 被害部位:花、実
- 予防方法:風通しをよくし、低温で湿気が多い状態を避ける。しぼんだ花がうまく落ちないときは取り除く(茨城県)
- 対処方法:被害を受けた花や実は、早めに取り除く(茨城県)
食害性害虫!ウリハムシ
葉に円い穴があき、背中がオレンジ色(橙黄色)の小さな甲虫がいたら「ウリハムシ」です。成虫の大きさは7〜8mmです(島根県)。
- 症状:葉に円い食べ跡が残る。多いと葉がぼろぼろになり、小さな苗は枯れることもある。幼虫は土の中で根を食べ、株がしおれることがある(島根県。スイカの資料)
- 発生時期:成虫は4月下旬〜5月上旬に動き始め、葉の被害は5月下旬〜6月に多い(島根県。スイカの資料)
- 被害部位:葉、根、実
- 予防方法:毎日葉を見て、被害が大きくなる前に対処する(サカタのタネ)
- 対処方法:成虫を見つけたら、その都度捕まえる(アース製薬)
吸汁性害虫!アブラムシ
新芽や葉の裏に小さな虫が群がっていたら「アブラムシ」です。この記事の「カボチャモザイク病」などのウイルス病を運びます。
- 症状:新芽や葉に小さな虫が群がる。養分を吸われると生長が止まる(アース製薬)
- 被害部位:新芽、葉
- 予防方法:ウイルス病を運ぶため、植えつけてしばらくの間は寒冷紗(目の細かい布)で覆うと効果的(サカタのタネ)。この記事のカボチャモザイク病の予防方法(シルバーマルチ)も参考に
- 対処方法:数が少ないうちは、セロハンテープなどで取り除く(アース製薬)
まとめ
- 栽培計画:水はけが良い高畝に1条植え。畝幅100cm以上、株間80cm以上。pHは6.0〜6.5
- 苗選びと植えつけ:関東では5月上旬(ゴールデンウィーク)。本葉3〜4枚の苗を2つ以上。ネギと根を絡めて植える
- 支柱と水やり:植えつけ場所から15cmぐらい離して支柱を立てる。根が浅いので、花や実の頃は水切れに注意
- 人工授粉と摘葉:雌花が開く早朝に人工授粉。勢いのない下葉は、きれいなハサミで切る
- 追肥:実をつけはじめた頃から、2週間に1回、1㎡あたりひと握り(約80g)。やりすぎに注意
- 収穫:2〜3日で大きくなる。長さ20cm前後を目安に、きれいなハサミで根元から切る
- 病気と害虫:葉の白い粉はうどんこ病、まだら模様はモザイク病、円い穴はウリハムシ。実の先が腐るときは受粉と灰色かび病を疑う
ズッキーニ栽培を初めてされる方が、抵抗なく楽しく栽培していただけるように、私の経験から具体例を取りまとめて投稿してみました。
これらをご参考いただき、いろいろな栽培方法(土づくりや肥料など)を考えて、家庭菜園を楽しんでくださる方が少しでも増えてくれたら嬉しいです。








