トマトを栽培するには、どうするんだろう?
トマトの苗を生育していくうえで、何をすれば良いのか?
多くの情報があって何を信じたら良いのかわからない。
などと困ったことはありませんか?
- 栽培のタイミング&準備は?
- 苗選び&植えつけ方は?
- わき芽とりって何?
- 支柱立て&誘引とは?
- 果実がたくさんできる方法とは?
- 追肥のやり方とタイミングは?
- 鳥害対策は?
- 収穫のタイミングを教えて
- オススメの品種ってあるの?
- かかりやすい病害虫の情報を教えて!
これらに焦点をあてて、初心者の方向けにわかりやすくお伝えいたします。
このページを「お気に入り登録」をしていただくと便利かと思いますのでご活用ください。
トマト栽培14のポイント
トマト栽培を管理していくうえで、必要な情報をまとめてみました。
次に紹介する14のポイントをおさえていけば、失敗する確率は低いです。
トマトを育てる準備しよう
初めてトマト栽培をされる方は、種からではなく苗から育てるのがオススメ!
用語については、野菜づくりの知識 の中でそれぞれ詳しく解説していますのでご覧ください。
◇カンタン用語解説
高畝とは・・・高さが15㎝以上の高めの畝
2条植えとは・2列で野菜を植える
畝幅とは・・・野菜を植える床の幅
株間とは・・・野菜の苗と苗の間
支柱とは・・・野菜苗の茎やツルを這わせたりして実や株の重さから支える柱
誘引とは・・・支柱と茎などをヒモなどで結ぶ作業
マルチとは・・ビニールなどで土を覆うための資材
土壌のpHを6.3に調整しよう
トマトは、平均的な土壌のpHを好む野菜です。
- 土壌のpHって何?
-
土の酸性度を計測する数字です。野菜によって育ちやすい酸度が違います。
市販の酸度計をいろいろと試しましたが、こちらのタイプに落ち着きました!
電池要らずで、穴掘って水いれて土混ぜて刺して測るだけ!
1㎡の面積あたりpHを0.5上げるには、「石灰」をひと握りまきます。
反対にpHを0.5下げるには、「ピートモス」をひと握りまきます。
酸度調整用として保有していると便利ですよ!
植えつけは4月下旬〜5月上旬が「◎」
トマトの苗は、ホームセンターなどで4月上旬ごろから販売されていますが、あまり元気な苗でないことが多いのと、植えつけたとしても寒さ対策をする必要があるのでご注意ください。
関東の場合ですと、ゴールデンウィーク前後が1番良い時期です。
苗選びは接木苗がオススメ
トマト栽培の難易度は、「ミニトマト」、「中玉トマト」、「大玉トマト」の順で難しいため、まずは、「ミニトマト」からの栽培をオススメします。
- 接ぎ木(つぎきなえ)・・・病気に強い根の台木と実のなる穂木を合わせた良いとこどりの苗
- 実生苗(みしょうなえ)・・タネから育てた苗<販売店では接木苗より安価>
良い苗選びの特徴をまとめてみました。
全部は難しいと思いますがご参考ください。
- 太い茎の苗
- 葉が虫に食べられていないもの
- 節間が詰まっているもの
- 葉の緑色が濃いもの
- 一番花の蕾がついてたり咲いているもの
- 双葉があるもの
- 接木苗(つぎきなえ)のもの
全部の条件をクリアするような苗と巡り合ったら、間違いはないですが、なるべく多く条件が一致するものを選びましょう。
ニラと一緒に混植しよう
植えつけ手順!
ニラと一緒に混植をする理由は、トマトがかかりやすい病気から守るためです。
ニラの根に共生する微生物が、トマトの病原菌を減らす役割をしてくれます。
※ニラの代わりにネギでもOK!
生長をサポートする支柱立て&誘引
ここでは、トマト栽培をカンタンにするという目的からラセン支柱をベースにお伝えいたします。
- トマトを植えつけする場所へ事前に支柱を立てる
- 事前に支柱を立てる理由は、根を傷つけないため
- 支柱は深さ40㎝ぐらい差し込むと倒れにくい
- 生長していく苗をラセンの中へ取り込んでいく
- 生育当初は誘引する必要があるがその後は不要
茎と支柱を挟み込むだけで誘引できる商品(クキタッチなど)を使用すると作業がカンタンです。
不要な養分を断つわき芽とり
トマトが生長するとたくさん出てきます。わき芽は小さいうちにとっていきましょう。
芽が大きくなってしまうと、わき芽が非常にわかりにくくなります。
実際にわき芽をとっていくうちにわかる様になりますので、ポイントをおさえましょう。
- 養分がトマトの実までしっかりと届くように、不要な茎や葉などへいく養分を止めるため
- わき芽を取ることで、風通しを良くし、害虫を寄せにくくするため
- 全ての◯のわき芽を取って、1本の茎で育てます。
- オレンジ色の◯を残して赤色の◯のわき芽を取ります。
- 1番花の下のわき芽(オレンジ色の◯)は、非常に強いわき芽となります。このわき芽を取らずに生長させる育て方を2本仕立てと言います。
わき芽とりのカンタンな方法をお伝えします。
芽かきを取る方法!
- 雨の日は避け、天気の良い日に行う<翌日も晴れだとGOOD!>
- わき芽の切り口から病原菌が入るのを防ぐため
- 天気の良い日だと切り口が乾燥して塞がるのを早めてくれる
- ハサミなどは使わず、手で取る<ハサミを使う場合は、十分に清掃してから使用する>
- ハサミに付着している病原菌が、切り口から侵入するのを防ぐため
水やり不要で糖度をあげる
乾燥に強い野菜なので、湿度には弱く、さらには、水を与えない方が糖度が増して甘いトマトに育ちます。
基本的に雨のみで良いとお伝えしてますが、葉が枯れてきたり、2週間ぐらい雨が降らない状況が続いた場合は、朝方もしくは夕方に1度水を与えましょう
受粉をサポートして果実をたくさん
花房を揺らす
自然に受粉をサポートする方法は、蕾が複数ある時に、茎を軽く叩いて揺らします。揺らすことで花や蕾の中の花粉が分散して受粉する確率をあげてくれます。
ホルモン剤散布
人工的に授粉させる方法として、トマトトーン(植物成長ホルモン剤)を使用します。写真のように花以外のところに散布しないように花房を手で挟み、花房全体に1回散布します。2回散布すると奇形した果実になりやすいため注意しましょう。
- 温度20℃以上で100倍の希釈
- 温度20℃未満で50倍の希釈
- 希釈後はペットボトルなどで保存
- スプレーボトルに入れて都度使用する
- 希釈済みのスプレータイプも販売
- 成長点への散布は薬害作用のためNG
第1花房とは、1番目に花や蕾ができ、集まる房のことです
その後、株元から順に第2花房、第3花房・・・と背丈が伸び花を咲かせていきます
病害虫予防で下葉とり
- 果実に日光が当たりやすくなる
- 風通しが良くなる
- 害虫が来にくい
- 病気になりにくい
- 葉を取った分、果実や上部の葉へ養分がいく
追肥のやり方とタイミング
トマトの第1花房にトマトが実をつけはじめた頃、畝の肩、もしくは、畝の通路に化成肥料(8-8-8)をまきます。
量は1㎡辺り一握り(約70g)で土と混ぜ合わせます。
摘芯して栄養を果実へ送る
支柱の上部(管理で届くところ)まで主軸が生長したら、支柱先端に近い花房から、上部2枚の葉を残して摘芯します。※写真は第9花房まで残して先端を摘んでます。
摘芯せずにそのまま生長させても問題はないのですが、美味しいトマトの実は第5〜7花房(目安)までと言われています。
三角ネットやビニールを被せて鳥対策
トマトが熟す前に台所用の三角ネットやビニールなどを利用して、トマトの花房に被せましょう。
ネットなどを被せた口をしっかり塞ぐことで、害虫の侵入を防ぐこともできて一石二鳥ですよ。
ヘタ付近まで色づいたら収穫OK
美味しそうな色に熟したトマトは、鳥などに狙われる可能性が高くなりますので注意しましょう。
かかりやすい病害虫の情報
トマトにかかりやすい病害虫の情報を、多くの本やこれまでの経験からまとめてみました。
細菌による伝染!青枯病
細菌による病気で土中に増えた病原菌が根から侵入して、水分を上がらなくさせてそのまましおれます。
全体的に元気がなくしおれてしまう。後に枯れていく。
5月〜8月
根、葉
- 発病したら、農薬でも効く薬剤なし
- 発病したら周りに伝染しないように根っこや周りの土ごと抜き取り処分する
カルシウムの欠乏!尻腐れ症
病原菌によるものではないので、伝染することはありません。
果実の下部が黒色の円形に腐り凹んだように見える。
6月〜8月
果実
- 果実に症状が出た場合、改善することはないので摘み取る
ウィルスによる伝染!黄化葉巻病
病気にかかった株にタバココナジラミという害虫が寄生して汁を吸い、他の株へ移動して汁を吸うことでさらに伝染して広がります。
葉が外側から黄色くなり縮れてくる。
4月〜10月
葉
- 害虫が嫌がる光の反射を利用してシルバーマルチを敷く
- 周囲の除草をしっかりとして害虫の住みかをなくす
- 風通しをよくして害虫の住みかをなくす
- 発病した株は、伝染源になるため、虫ごとビニール袋等に入れて廃棄する
食害性害虫!オオタバコガ
生長するにつれ、新芽、蕾、そして果実に穴をあけて食害にあいます。
果実にまるい穴があいている
6月〜10月
果実、茎葉、蕾
- 葉の先端が萎れていないか観察する
- 葉に食べた痕跡、または糞をしていないを観察する
- 幼虫を見つけ次第、捕殺する
- オオタバゴガが侵入しないようにネットなどで花房を覆い口を結ぶ
- 果実に穴があいている場合は摘み取り中に幼虫がいたら捕殺する
- 幼虫がいない場合は、周辺の果実を観察して幼虫を発見して捕殺する
トマト栽培を初めてされる方が、抵抗なく楽しい栽培をいただけるように、私の経験から具体例を取りまとめてみました。
これらをご参考いただき、いろいろな栽培方法(土づくりや肥料など)を考えて、家庭菜園を楽しんでくださる方が少しでも増えてくれたら嬉しいです。